「鎌倉散歩」 (その17)   得田 皓則 

江ノ電のある風景

 鎌倉を語るには江ノ電が欠かせません。

「江ノ電」は鎌倉と藤沢を結ぶ鉄道として明治35年に開業以来、古都の風情にふさわしいとして人々に親しまれております。近年レトロ電車も登場した江ノ電は鎌倉散歩の楽しい味方です。鎌倉は道が狭く、シーズンには車が大渋滞する事がしばしばです。ウォーキングと江ノ電が賢明な移動手段になります。

鎌倉から藤沢まで約35分、運転間隔は12分間隔で単線です。電車の通る線路は狭く、家並みの軒先をかすめながら進んで行きます。時速300キロを目指す新幹線の時代にチンチン電車の趣でゆったりと走るのも良いものです。

鎌倉を出発して、由比ヶ浜、長谷(大仏、長谷観音、光則寺)、極楽寺(極楽寺、成就院)そして稲村ヶ崎を過ぎると、目の前にサーと広がる青い海が見え、七里ヶ浜の海岸にさしかかります。冬の今の時期、お天気がよいと富士山と江ノ島、腰越が前方に見えてきます。まさに絶景かな!絶景かな!です。

         (七里ヶ浜から富士山、江ノ島を見る)

この景色はしばしば浮世絵にも描かれています。先の「北斎」展の浮世絵、富獄三六景の中にもこの風景があります。

七里ヶ浜駅を過ぎ、次の「鎌倉高校前駅」は多くの映画、TVドラマ、CMの舞台に使われていますのでご存じの方も多いのではないかと思います。関東の駅百選にも選ばれています。鎌倉高校前駅の次ぎが腰越ですが、ここには源義経が兄頼朝から鎌倉入りを拒まれ逗留したとされる、満福寺が有ります。

そして、その次が江ノ島です。最近、水族館が新しくなり人気です。江ノ島から藤沢市になります。

     (鎌倉高校前駅から江ノ島、腰越を見る)

まさに家並みの軒先や木立に触れそうにして走っている。
単線のため向かい側の電車とすれ違う所(長谷駅付近)              

(了)