「鎌倉散歩」 (その40) 得田 皓則
▽ご神木倒壊とその後
ご神木が倒壊して早くも2月が過ぎましたが、倒れた銀杏を見たい、
或いは、最近新芽が出てきたと言う事でその新芽を見たいと、
意外にも観光客が増えております。
ひょっとすると、鶴ヶ岡八幡の大神が、最近の不景気でお賽銭の
上がりが少ない、何とかしなくてはと考え、そこで大一番、バクチを打った
のがまんまと当たった?とすれば、してやったりと言うところでしょう。
写真右が、倒れた大銀杏の根本を西へ少し動かし移植したもので、
この木からも新芽が出てきたそうですが、
左側の倒れた大銀杏の植わっていた後にも、新芽が出てきています。
生命力は素晴らしいものです。
また、何故かこの出来事の後、大銀杏の写った絵はがきが大売れに売れて
売れ切れの状態になっています。なにやら、風が吹けば桶屋のようです。
◎鶴岡八幡宮ご神木倒壊去る平成22年3月10日午前4時40分頃、折からの強風により、樹齢800年以上と言われる鶴岡八幡宮のご神木・銀杏の木が倒壊しました。
▽本宮から見下ろす健在の時の神木と雪の日の鶴岡八幡宮
▽倒壊した神木
▽ご神木が無くなったお宮
倒れた木の幹をみると、木の内側が空洞になり、脆くなっていたようです。鶴岡八幡宮があこぎに金儲けばかりするから、神罰が当たったなんて、陰口もありますが、さて? この銀杏の木は言い伝えでは、鎌倉幕府三代将軍源実朝の甥の公暁がこの木の後ろに隠れて実朝を暗殺したと言われ、別名「隠れ銀杏」とも言われておりました。800年以上もの間、鎌倉の歴史を見続けていた鶴ヶ岡八幡宮のシンボル的な存在でもあったこともあり、全国ニュースとして大きく取り上げられました。
神奈川県指定の天然記念物でもあり、その後、大学教授等が検討の結果、全長30メートルのうち、根本の3〜4メートルを残し、5メートルほど西に植え替えました。この根本から小さな根が伸びて、再生されることを期待しているようです。
▽植え替えたご神木の根もと
▽上から見た植え替えられたご神木
下から本宮を見上げる景色、本宮から鎌倉の街を見る景色が随分と変わりました。どう変わったか、散歩がてらに鎌倉にお参りに来てご覧下さい。
(了)