「鎌倉散歩」 (その45)   得田 皓則   

◎鶴岡八幡宮例大祭

 鶴岡八幡宮の例大祭は、毎年914日から16日までの3日間、盛大に行われます。

「吾妻鏡」によれば、文治3年(1187年)815日に放生会(ほうじょうえ)と流鏑馬が行われたとあり、これが鶴岡八幡宮の例大祭の始まりとなります。以来、絶えることなく800年の歴史と伝統が現在に伝えられております。一年を通じて、最も重い祭事です。

▽例大祭は、以下のような手順で行われます。

・浜降式14日)

 例大祭に先立ち、宮司以下神職が身を清めるために、早朝、由比ヶ浜辺において禊をします。これを浜降式といいます。

・宵宮祭14日)

 例大祭前夜、いよいよ翌日に控えた祭りの執行を大神様に報告します。

・例大祭15日)

 神社本庁より幣帛(へいはく)を奉る献幣使(けんぺいし)を迎え、宮司以下神職、巫女、八乙女が奉仕し、大勢の参列者を迎えて厳かに執り行われます。

・神幸祭15日)

 大神を神輿にお遷しして氏子区域を親しくお渡りいただくお祭りです。氏子の若者によりご本殿脇にある神輿3基に大神をお遷しし、ご本殿から担ぎ下ろし、宮司以下神 職、錦旗、神馬、提灯、太鼓、盾、弓矢などからなる長い行列が若宮大路を二の鳥居 まで進みます。二の鳥居の下には御旅所(おたびしょ)が設けられ、緑の千早、緋袴 姿の八乙女たちによる舞が行われます。

(大神の遷られた3基の神輿が本殿から降りてくるところ)

(若宮大路の行列)

(二の鳥居における祈祷)

・流鏑馬神事16日)

 鎌倉時代の狩装束に身を包んだ射手が、馬で駆けながら馬場に配された3つの的を射抜く勇壮な神事で、源頼朝の時代より800年の伝統を受け継いでいます。今から820年前、頼朝が奉行して最初の流鏑馬が行われたといわれます。弓馬術礼法小笠原教場宗家により、鎌倉時代さながらに執り行われます。

(流鏑馬)

(流鏑馬の動画)

この例大祭が終わると、彼岸になりそして猛暑の続いた夏も終わり、鎌倉も本格的な秋になります。

(了)